資源を大切にするための新たな一歩:紙おむつの水平リサイクル
2024年1月12日
・資源の大切さを考え、SDGsの一環として個人・団体・企業が取り組む「リデュース」「リユース」「リサイクル」。介護・シニア世代にとって身近なものもリサイクルの対象となりつつある。特に、紙おむつのリサイクル技術が進化中だ。
・日本では年間約220万tもの乳幼児・大人用の紙おむつが捨てられており、主に焼却処分されている。しかし、使用済みの紙おむつは水分を含んでおり、燃えにくいため多くの固形燃料を使用して焼却する必要があり、その結果焼却コストがかかっている。
・現在、適切な処理を経て紙おむつの素材を再生し、固形燃料や建築資材、猫用トイレの砂などに変える方法が生まれつつありる。さらに驚くべきことに、再生素材から新品の紙おむつを製造する技術も開発されている。
・大手日用品メーカーのユニ・チャームは、独自の技術で紙おむつを水平リサイクルし、新品の紙おむつの材料として再利用するシステムを構築した。これにより、森林資源の利用や環境への負荷を軽減できるとされている。
・ユニ・チャームの広報担当の藤巻尚子さんによれば、リサイクルの過程での苦労もあったそうだが、「オゾン処理による滅菌技術」を確立することで、紙おむつのリサイクルが可能になった。また、鹿児島県の自治体と協力して紙おむつ回収に取り組み、リサイクルパルプを使用したトイレットペーパーやメモ用紙を提供している。
・ユニ・チャームは現在、紙おむつの水平リサイクルを活かし、新製品の提供を進めている。2022年5月には南九州地区の介護施設や病院で実際に利用され、好評を博している。2023年10月にはリサイクルパルプを使用した新商品も追加発売された。同社は2024年から大人用の紙パンツだけでなく、赤ちゃん用の紙パンツにも展開を検討し、2030年までに10の自治体への展開を目指している。
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