女優・岸本加世子さん(65)は、テレビ番組で現在の介護生活について語り、自宅で要介護5の継父を支えていることを明かした。継父は脳梗塞を三度経験し、高次脳機能障害や失語症などの後遺症が残る。家の中を伝い歩きできる程度の状態で、日々の介助には大きな負担があるという。苦労の中でもストレスを発散しながら向き合う姿が印象的だった。
岸本さんはこれまで、実父と継父の介護に10年以上携わってきた。生い立ちには複雑な事情があり、幼少期に両親が離婚。母の再婚後は川崎で新しい家族と暮らし、高校時代にスカウトされ芸能界に入った。売れっ子となった後も、彼女を支えたのは母の存在だったが、その母は1989年のドラマ撮影中に倒れ、翌年に急逝。十分に支えられなかったという後悔が、いまも彼女の心に残っている。
その思いから、身寄りを失い要介護となった実父を引き取り、近所のアパートを借りて介護を始めたこともあった。気性の荒い実父と衝突しながらも、継父の助けを得て看取りまで続けた経験がある。しかし施設選びで苦労し、実父が感情を閉ざしてしまった時期もあった。再び適した施設に移ることで穏やかさを取り戻し、78歳で最期を迎えた。
実父の看取りを経た岸本さんは、今度は継父の介護を自宅で行う選択をした。「最後まで見届けたい」という強い覚悟が背景にある。弟家族と協力しながらケアマネジャーやヘルパーと連携し、手探りで在宅介護を続けている。
専門家は、若い頃に親を突然亡くした人は介護に強い責任感や後悔の念を抱きやすいと指摘する。また、施設選びでは運営者の理念を直接確認することが重要だと助言する。
番組出演時、岸本さんは亡き母の遺品である着物を身につけていた。いま彼女が継父に尽くす姿を、天国の母は穏やかに見守っているのかもしれない。






