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2025/02/07 金曜日 | その他

線虫がん検査の的中率に疑問 約20年前の数値が根拠に

線虫がん検査の的中率に疑問 約20年前の数値が根拠に

線虫がん検査の的中率に疑問 約20年前の数値が根拠に

2025年02月07日

ヒロツバイオサイエンス(東京都)が提供する線虫がん検査「N-NOSE」は、尿を提出するだけでがんリスクがわかるとされる。しかし、日本核医学会の調査では、高リスク判定を受けた人のうち実際にがんが見つかる割合(陽性的中率)は1~2%と低いことが判明した。

・がん検査では、がんではないのに陽性と判定される偽陽性や、がんなのに陰性とされる偽陰性が一定の割合で発生する。検査の性能を示す指標として、感度(がんを正しく検出する割合)と特異度(がんではない人を正しく判定する割合)がある。陽性的中率は、検査で陽性とされた人が実際にがんである確率を示す。

・調査では、N-NOSEで高リスクとされた1053人のうち、PET/CT検査でがんが見つかったのは22人(陽性的中率2.09%)。N-NOSEの検査対象に限定すると10人(0.95%)だった。これに対し、ヒロツ社は「真の陽性的中率は11.7%」と発表したが、計算の詳細は示されなかった。

・ヒロツ社の説明によると、11.7%の算出根拠は2008年に発表されたPET検査の感度17.8%というデータに基づくものだった。しかし、PET/CT装置の技術向上により、感度は向上しているとの指摘がある。

・2013年の研究ではPET/CTの感度は78%と報告され、2023年には統合解析で83%とされている。最新のデータを用いると、N-NOSEの陽性的中率は2%台にとどまる計算になる。

・再びヒロツ社に「約20年前の低い感度を使用した理由」を質問したが、具体的な回答はなかった。代わりに「N-NOSEのデータが査読付きの国際科学誌に掲載された」とのリリースが発表された。

・がん検診は単に多くのがんを発見することが優れているわけではない。過剰診断による不要な治療や心理的負担のリスクもある。優れた検診とは、受診によってがん死亡率の低下が証明されたものを指し、日本では肺、胃、大腸、乳房、子宮頸部の5つの検診が推奨されている。N-NOSEの死亡率低下効果については明確な証拠が示されておらず、公式サイトにも記載はない。

 

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