・千葉市の歯科医院「高橋デンタルオフィス」の元院長・高橋仁一容疑者(58)が、インプラント治療に関連して患者から金銭をだまし取ったとして詐欺容疑で逮捕された。
・被害を訴える患者は後を絶たず、千葉県警にはこれまでに治療や金銭トラブルに関する相談が70件ほど寄せられ、確認されている被害総額は1億円を超える。
・ある女性患者は、治療費として700万円以上を支払ったにもかかわらず、適切な施術を受けられなかった上、返金もなかったという。治療後に口内トラブルが続いた挙句、医院は閉鎖されてしまった。
・女性によると、高橋容疑者は「今すぐ治療すべき」と契約を急がせたり、「学会発表用の症例に使うため、一定額を支払えば後で全額戻る」と説得し、追加で金銭を要求したという。
・県警の発表では、2020年3月から2022年9月にかけて、治療が始まらない、進まないといった声が相次いでおり、経営悪化の兆候がすでに表れていたとされる。
・医院は2023年3月には閉鎖され、同年6月には約17億円の負債を抱え破産手続きに入った。
・逮捕のきっかけとなったのは、2021年3月に患者から現金200万円を詐取した疑い。高橋容疑者は「治療費相当額が後日返金される」と虚偽の説明をして金を受け取っていた。
・県警による取り調べに対し、高橋容疑者は「弁護士と話すまでは黙秘する」としており、捜査は今後も続く見通しだ。
・被害者の一人は「お金のために抜かれた歯は戻らない。二度と歯科医を名乗ってほしくない」と怒りをにじませた。