拍動性の痛みも頭重も、首の凝りに伴う後頭部痛も目の奥の痛みも、患者にとっては頭痛である。このように多彩な症状を呈する頭痛の治療には的確な診断が重要で、特に眼疾患に起因する場合は視力障害を防ぐためにも、頭痛の確定診断が急がれる。第46回日本頭痛学会(11月16〜17日)で、川崎医科大学眼科学1教室教授の三木淳司氏は、眼疾患に起因する頭痛を見落とさないためのポイントを解説した。
数日中に失明するかもしれない患者が、眼科以外の科を受診することも
「国際頭痛分類第3版beta版」では「眼疾患による頭痛」として5つの疾患(急性緑内障、屈折異常、眼球斜位あるいは斜視、眼球炎症性疾患、眼窩滑車部炎)が挙げられている。 急性緑内障発作は急激な眼圧上昇に伴って眼痛や頭痛が出現し、治療が遅れると数日で失明に至ることがある。早期治療により深刻な事態は回避できるため、早く発見することが非常に重要である。悪心・嘔吐が強い症例では、眼科以外の診療科を受診することも少なくないため、他科でも急性緑内障発作を見抜く必要があるという。
【文責】登坂紀一朗(薬剤師)