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減量型糖尿病薬で転倒リスク上昇 併用時はさらに危険性増大
2025年05月13日(火)
・体重を減らす効果がある糖尿病治療薬の一部に、転倒のリスクを高める可能性があることが筑波大学と実践女子大学の研究チームによって明らかになった。
・研究対象は、2014年から2021年までに筑波大学附属病院に入院した2型糖尿病の患者471人。最長5年間、1年ごとに転倒歴と体重の変化に関するアンケートを実施し、リスク要因を分析した。
・中央値64歳の患者のうち、退院後に1回以上転倒したのは173人だった。解析の結果、過去の転倒歴、高齢、そして「SGLT2阻害薬」の服用が転倒リスクと関連していた。
・SGLT2阻害薬は血中の糖を尿に排出する作用に加え、体重減少をもたらすが、服用していない人と比べて転倒の可能性が1.9倍に増加していた。
・また、食欲を抑える効果を持つ「GLP-1受容体作動薬」とSGLT2阻害薬を併用すると、転倒リスクは3.13倍に跳ね上がることが示された。
・これまで知られていた年齢や転倒歴に加えて、SGLT2阻害薬の服用がリスクとして統計的に裏付けられたのは今回が初めて。
・研究チームは、これらの薬を処方する際には食事療法や運動療法の併用指導が重要になるとし、薬の効果と副作用のバランスを慎重に考慮すべきと指摘している。