進行がん治療の高額化—治療費は50万円以上が過半数
- 2025.05.14(水)
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・手術で切除できない進行がん患者のうち、約6割が1か月の治療費に50万円以上かかっていることが調査で判明。
・調査は日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)が初めて実施し、400以上の医療機関が参加。肺がんや乳がんなど17種類を対象とした。
・対象は2021~22年に初回治療を受けた進行がん患者約1万6000人で、薬剤費と関連費用を分析。
・1か月あたりの治療費が100万円以上かかった患者は全体の17%。肺がんの進展型小細胞で138万円、乳がんのトリプルネガティブで118万円のケースが確認された。
・分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の登場により、治療費が従来の抗がん剤使用時の10~50倍に増加。
・例えば、免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」と他の薬を組み合わせた胃がん治療では月77万円かかったケースがある。
・国立がん研究センター中央病院の専門医は「費用を考慮しながら治療を最適化する時期が来ている」と指摘。