ロボット手術による医療事故で重い後遺症、鳥取大病院が1億5000万円で和解
- 2025.05.15(木)
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・鳥取大学医学部附属病院で2019年に行われたロボット支援手術で、大量出血による後遺症が残ったとして、20代男性が起こしていた損害賠償訴訟が和解に至った。
・裁判は鳥取地裁米子支部で進められ、大学側は解決金として1億5000万円を支払うことで合意した。
・原告側によると、手術は胸部腫瘍の切除を目的に行われたが、視界が確保されない状況で手術支援ロボット「ダビンチ」の器具が動脈に接触し、重大な障害が残る結果となった。
・男性は脳や呼吸機能に深刻な障害を負い、ロボット手術ではなく従来の手法を選択すべきだったと主張し、病院側の注意義務違反を訴えていた。
・男性の家族は「同様の事故が再び起きないように」とのコメントを公表し、医療安全への強い願いを示した。
・記者会見で原告代理人は「ロボット手術自体を否定するわけではないが、操作するのはあくまで人間であり、ミスの可能性を医療者も患者も改めて認識すべきだ」と述べた。
・鳥取大学医学部附属病院は、今回の事案を受けて再発防止に努めるとし、今後も質の高い医療提供に取り組んでいくとコメントを発表した。