認定外のがん治療に警鐘 光免疫療法、適応外使用に専門家が懸念
- 2025.05.13(火)
・がん治療のひとつとして注目されている光免疫療法について、日本頭頸部外科学会が認定外の医療機関での治療提供に対し注意を促した。
・この治療法は、がん細胞に選択的に作用する抗体と、光に反応して活性化する成分を結合させた薬剤を体内に投与し、レーザー光を照射することでがん細胞を破壊するという仕組みをもつ。
・2020年には、手術が難しい再発性の頭頸部がんに対して正式に薬事承認され、保険適用の治療法として導入された。
・学会はこの治療を安全に実施するため、認定条件を設けた上で全国に約120の医療機関を認定している。
・しかし実際には、認定を受けていない施設が頭頸部がん以外にも効果があるかのように自由診療で治療を宣伝するケースが見られるようになっている。
・学会は、頭頸部がん以外の病気に対しては光免疫療法の有効性や安全性が科学的に裏付けられていないとし、こうした施設での治療には慎重になるべきだと警告している。
・薬剤と機器の販売元である楽天メディカルも、認定外施設では正規品と異なる薬剤や照射機器が使われている可能性を示唆している。
・学会は患者に対し、必ず認定を受けた施設での受診を選ぶよう呼びかけている。