・名古屋大学発のバイオベンチャー「クライフ」が開発した尿によるがん検査キットが、北海道岩内町で実施された実証実験で超早期の肺がんを発見した。
・このキットは、尿中に含まれるがん特有の「マイクロRNA」と呼ばれる微小な分子を検出する仕組みで、がんの兆候を高精度で捉える。
・対象となったのは、肺がん検診を5年以上受けていない60歳以上の町民100人で、がん検診の受診率が低い地域に対する新たな対策として注目されている。
・配布されたキットにより、21人ががんリスク高と判定され、そのうち肺に関して3人が精密検査を受診し、1人の女性にステージ0の肺がんが見つかった。
・発見されたがんは手術で切除可能な段階にあり、早期治療につながった。
・また、大腸がんと膵臓がんに関しても、前がん状態の病変が計6人で確認された。
・検査は肺や膵臓、大腸など最大7種類のがんリスクを一度に判定可能で、症状が出る前に異常を察知できるのが強み。
・北海道大学病院の加藤達哉教授は、この技術が医療資源の乏しい地域で有効ながん対策になり得ると述べ、今後は利尻町でも同様の取り組みを展開する予定。