治療中の合併症が引き起こした悲劇
- 2025.05.01(木)
愛知県豊田市の医療機関で、心疾患治療を受けた男性が治療中の合併症により命を落とした事件について、その男性の妻が病院側を訴えました。訴状によると、50代の妻は、夫(当時52歳)の死に至ったのは病院の治療方法や説明不足によるものと主張し、名古屋地方裁判所に約1億1600万円の損害賠償を求めています。
男性は2020年12月、不整脈の治療として「カテーテルアブレーション」を受けました。しかし、その治療中に心臓と食道の間に穴が開くという重大な合併症を発症。その後、意識障害を伴う状態が続き、2023年10月、腎不全で亡くなったとされています。妻側は、治療の過程で適切な注意が払われなかったことや、合併症のリスクについて十分な説明がなされなかったと指摘。また、患者が早期に症状に気づき対応できるような指導が欠けていたと訴えています。
妻は記者会見で、夫の苦しむ様子を目の当たりにした辛さを語り、真相を追求する意志を表明しました。一方で、訴えを受けた病院側は「訴状を確認の上、必要に応じて対応する」とのコメントに留めています。
この事件は、医療現場での治療ミスや説明不足が患者と家族にどのような影響を及ぼすかについて、改めて議論を呼び起こしそうです。