・不妊手術を原則制限する母体保護法が自己決定権を侵害するとして20~30代女性5人が国を訴えた裁判で、東京地裁は規定は憲法違反ではないと判断し、請求を退けた。
・一方で判決は、不妊手術の要件について法律の目的に対し合理性に乏しい面があると指摘し、制度の見直し検討が望まれると補足した。
・現行制度では、不妊手術には生命への危険や多産といった条件に加え、配偶者の同意が必要とされている。
・原告側は未婚や子どもがいないため条件を満たせず国内で手術を受けられない状況にあり、「産まない選択」を制限するのは憲法13条に反すると主張していた。
・さらに、不妊手術を受ける権利の確認とともに、法改正が行われなかったことで精神的苦痛を受けたとして賠償も求めていた。
・これに対し国は、不妊手術を受ける権利は憲法上保障されていないとし、避妊手段の存在や手術後の後悔の可能性を理由に規制の正当性を主張した。
・母体保護法の起源は1940年制定の国民優生法にあり、当時は出産奨励の政策のもと中絶や不妊手術が原則禁止されていた。
・戦後は優生保護法へ改正され、障害者への強制不妊手術が認められる一方、自発的な手術にも配偶者同意などの制限が設けられた。
・1996年には強制不妊手術の規定が削除され母体保護法へ改正されたが、自発的な不妊手術に関する制限は大きな議論がないまま現在まで維持されている。





