・膀胱がんを完全に切除した後、薬剤を使わず経過観察のみとした場合でも、標準治療とされる薬剤注入と5年後の再発率に差が見られなかったとする研究結果が発表された。副作用のある治療を省ける可能性があり、患者負担の軽減につながる新たな選択肢として注目されている。
・研究を主導した富山大の研究者は、副作用を避けられる点に大きな意義があるとし、経過観察のみの対応が今後の治療の一つになり得ると指摘する。将来的には診療ガイドラインへの反映も視野に入る。
・膀胱がんは比較的浅い段階であれば内視鏡手術で切除可能とされる。通常は再発予防のため、結核ワクチン由来のBCGを膀胱内に投与する方法が標準とされてきたが、血尿や頻尿などの副作用が患者の生活に影響を与えるケースがあった。
・今回の研究では、2回目の手術でがんが残っていないことを確認した患者を対象に、治療せず経過観察とした群と薬剤を投与した群を比較した。その結果、5年後に再発がなかった割合は経過観察で約87%、薬剤投与で約82%となり、両者に大きな差はないと結論付けられた。