・米子高専化学・バイオコースを卒業した田口叶子さんが、がん治療に関する研究で新たな知見を得た。細胞内のミトコンドリアが光線力学療法で用いられる光増感剤を取り込むことを明らかにし、研究成果は国際学術誌に掲載された。治療法のない病気に苦しむ人の役に立ちたいと意欲を示す。
・田口さんは3年生の秋から粳間由幸教授の研究室に所属し、がん治療の研究に取り組んだ。5年生の夏には台湾の大学で光線力学療法の研究手法を学び、その後も研究を継続し、成果を論文としてまとめた。
・光線力学療法は、光を吸収して反応を引き起こす光増感剤をがん細胞に取り込ませ、レーザー照射によって細胞を破壊する治療法である。
・研究では、光増感剤の細胞への取り込み効率を高める目的で「ブトキシ基」を導入し、細胞内での分布や作用部位を詳細に検証した。
・その結果、光増感剤がミトコンドリアに取り込まれることが判明した。ミトコンドリアはがん細胞の増殖に必要なエネルギー源であり、ここを標的にすることで治療効率の向上が期待される。
・一方で、ブトキシ基は分子サイズが大きく、光増感剤の細胞内への侵入を妨げる可能性があることも明らかになった。
・田口さんは4月から京都工芸繊維大学に編入し、核酸医薬品の研究に関心を持つ。将来は大学院に進学し研究職に就くことを目標とし、未だ治療法のない病気に貢献できる研究を志す。
・粳間教授は、田口さんの積極的に学ぶ姿勢を評価し、がん治療研究の奥深さに触れながら、同分野に挑戦する学生との共同研究に期待を寄せている。