大分県で初の「光免疫療法」実施　切除困難な口腔がんに新たな希望

・大分赤十字病院が5月、光に反応する薬剤を用いた「光免疫療法（アルミノックス治療）」を県内で初めて口腔がんの治療に導入した。
・この治療法は、がん細胞に結びつく抗体に特定波長の光で活性化する物質を組み込み、レーザーを照射してがん細胞のみを破壊する。
・標準的な外科手術、放射線、抗がん剤治療に続く「第5のがん治療」として注目されており、免疫療法と並ぶ新たな選択肢となっている。
・治療の対象は、従来の方法では切除できない再発がんなどに限られ、がん細胞以外の正常な組織をほとんど傷つけない点が特徴。
・大分赤十字病院では、再発した舌がんの70代男性に対し、点滴で薬剤を投与後、手術室で専用レーザーを舌に5分ずつ3回照射した。
・治療時間は約1時間で、患者の経過は良好。術後は直射日光を避ける必要があるものの、負担は比較的少ない。
・同様の治療は大分大学でも昨年に行われており、今後他のがんへの応用や導入施設の拡大が期待されている。
・口腔腫瘍外科の平井英治部長は「治療困難な患者への新たな道になる。地域で先進医療を提供していきたい」と述べている。