・国立がん研究センターが、小児がんの一種である神経芽腫の再発抑制を目的に、国内未承認薬を用いた臨床研究を開始すると発表した。海外で使われている薬が国内で利用できない「ドラッグロス」問題への対応策の一つとなる。
・神経芽腫は標準治療後も再発しやすい高リスク患者が一定数存在するが、日本では有効な予防手段が限られている状況にある。
・今回使用される「エフロルニチン」は、がんの増殖に関与するポリアミンという物質を減少させる作用を持つ薬で、米国では2023年に承認されているが、日本では承認に向けた手続きが進んでいない。
・臨床研究は初回治療で効果が確認された0歳から29歳までの高リスク患者を対象とし、中央病院を含む5施設で最大30人に投与する計画で、安全性と有効性の検証を行う。薬剤は米国の製薬企業から無償提供される。
・小児腫瘍科の責任者は、国内患者からの要望が強かった薬であり、今回の取り組みがドラッグロス解消の一例になるとの認識を示した。
・同センターは未承認薬や適応外薬を小児や若年層のがん患者に提供する臨床研究を進めており、治療機会の確保とともに、得られたデータをもとに国内承認を促す狙いがある。
・ドラッグロスとは、海外で承認された薬が日本では開発すら行われず使用できない状態を指し、審査制度の複雑さや市場規模の問題などが背景にある。現在、日本では約80種類の薬がこの状態にあるとされている。







