・心臓や肺などの移植は認定施設で実施されているが、実績には大きな差がある。調査では、東京大学、京都大学、九州大学、東北大学、大阪大学の5施設のみが直近数年間で100件以上の移植を行っており、他施設との差が明らかになっている。
・一方で、実績の多い施設では手術が集中し、対応しきれず移植を断念するケースも発生している。人員確保や手術室の拡張などの対策が取られているが、各施設単独での対応には限界があるとされる。
・こうした課題を受け、経験豊富な施設を拠点として指定し、資金面で支援する方針を打ち出した。一定数の移植実績や専門医の配置、地域医療との連携体制などが要件として検討されている。
・有力候補には実績上位の5施設に加え、小児移植に強みを持つ国立成育医療研究センターなども含まれる見込みとなっている。
・拠点化によって人員増強や設備整備が進めば、手術件数の増加や医療の効率化が期待される。さらに、専門スタッフの技能向上にもつながるとみられている。
・また、他の医療機関の医師を受け入れて研修を行う仕組みも盛り込まれ、全国的な移植医の育成が進む可能性がある。
・現在、移植を待つ患者は約1万7000人に上る一方、脳死下での臓器提供は限られている。提供件数は増加傾向にあり、直近では過去最多を記録している。
・しかし、受け入れ側の体制不足が課題となっており、2024年には人員や設備の問題で移植を受けられなかった患者が延べ662人に達した。
・拠点病院の多くは都市部に集中する見込みだが、人材育成を通じて地域格差の是正も期待されている。どの地域に住んでいても移植医療を受けられる体制構築が求められている。