・足の血管が詰まることで発症する下肢閉塞性動脈硬化症は、重症化すると壊死や切断につながる危険な病気であり、関連学会は認知向上のため「足梗塞」や「足壊死」といった名称の普及を検討している。
・日本では高齢者の3〜10%が発症するとされ、特に糖尿病患者では1割以上に合併するとの報告がある。生活習慣の影響で血管内にコレステロールが蓄積し、動脈硬化が進行することで発症する。
・発症リスクは高齢男性で高く、糖尿病や喫煙によってそれぞれ約3倍に上昇する。命に関わる可能性があるにもかかわらず、一般的な認知度は低い状態にある。
・初期は足の冷えやしびれといった軽い症状から始まり、進行すると歩行時に痛みや締め付け感が生じ、休みながらでないと歩けなくなる状態に至る。
・さらに悪化すると安静時でも痛みが続き、皮膚の色が変化し、潰瘍や壊死を引き起こすことがある。切断に至れば生活の質が大きく低下し、心臓や脳への負担も増えて寿命への影響も懸念される。
・重篤な疾患でありながら発見が遅れる例が多く、背景には病気の認知不足と血管外科専門医の不足がある。
・国内では血管外科が独立している医療機関が少なく、足の症状でも整形外科や皮膚科を受診するケースが多いため、適切な診療につながるまでに時間を要する傾向がある。
・治療は初期段階では薬物療法が中心となり、改善しない場合は血管を広げる処置が行われる。ただし重症例では再び狭窄することもあり、適切な対応が求められる。
・血管外科では、詰まった血管を避けて血流を確保するバイパス手術も可能であり、治療の選択肢を広げることができる。
・早期発見にはABI検査が有効で、腕と足の血圧差を測定することで異常の兆候を捉えることができる。
・学会は名称変更の発表とともに、検査体験などを通じて認知向上を図る取り組みを進めている。