コロナ無料検査事業で8億円の補助金詐取、簡素化された制度が招いた不正
- 2025.1.29 (水)
- ・新型コロナウイルスの無料検査事業において、検査数を水増しして補助金約8億円をだまし取った疑いで、警視庁は医療関連会社「アイチェック」(現・日本IC)の元社員7人を逮捕した。
・主犯とされる元営業担当課長・島田雅史容疑者(59)や元社員の村松学容疑者(35)らは、2022年10月から2023年1月にかけて約11万9000件分の虚偽申請を行い、約15万9000件分の補助金を不正に受け取ったとされる。
・彼らは他人の名義を使った名簿を作成し、知人から集めた唾液を検体として利用するなどの手法で偽装を繰り返していた。
・この事実は外部からの通報を受けた東京都が調査を行い、不正が明るみに出た。補助金は島田容疑者が私的に流用し、共犯者に分配していたとみられる。
・コロナ無料検査事業は国の臨時交付金6200億円を財源とし、2021年12月から2023年5月まで全国で実施されたもので、PCR検査1件あたり最大1万1500円、抗原検査では最大6500円の補助金が交付されていた。
・この事業では申請手続きを簡素化したことが裏目に出て、全国で不正申請が多発。東京都では21事業者が計393億円の不正を行い、交付の取り消しや約102億円の返還命令が下されている。