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2026/03/13 金曜日 | 医療事故

手術中のドリル事故で患者に重度障害 脳外科医に有罪判決

2026/3/13

赤穂市民病院で行われた手術中、医師がドリル操作を誤り神経を切断して患者に重い後遺障害を負わせたとして、業務上過失傷害罪に問われた脳神経外科医の判決公判が3月12日に神戸地方裁判所姫路支部で開かれた。裁判長の佐藤洋幸は禁錮1年、執行猶予3年(求刑禁錮1年6月)の有罪判決を言い渡し、医師の過失は明白で刑事責任は軽視できないと指摘した。被告医師は2024年12月に在宅起訴され、2026年2月の初公判から計4回の審理で結審した。

・判決では、手術中に出血があれば止血して術野を確保することが基本であると指摘した。本件手術では止血対応の回数が少なく、視界が十分に確保できないまま骨の切削を続けた結果、解剖学的構造の把握が困難になっていたと認定した。視認性が不十分な状況ではドリル作業を中断し止血を優先すべきだったとして、基本的な注意義務を怠った過失を認めた。

・神経付近で切削力の強いスチールバーを使用した点については、問題の本質は器具の種類ではなく術者の解剖学的理解不足にあると判断した。被告医師が指導医の指示で使用したとする主張についても、指導医の証言や手術中に複数回ドリルを持ち替えていた状況などから信用できないと評価した。さらに、発言の中には指導医に責任を転嫁する姿勢も見られるとして、事故への向き合い方に疑問が残ると指摘した。

・量刑について裁判所は、過失の重大性から罰金刑では済まされないと判断した。一方で、法廷で被害者に謝罪していることや民事訴訟の判決に基づく賠償が行われていること、医師として働くことが事実上困難な状況にあることなどを考慮し、一定の社会的制裁を受けていると認定した。求刑より刑を軽くした理由として、経験の浅い術者を支えるべき医療チームが十分に機能していなかった点も挙げた。

・裁判長は判決後、術野が見えにくい状況では作業を中断して改善を図るべきだったと指摘し、未熟さを反省し被害者への思いを忘れないよう被告医師に言及した。

・事件は2019年11月、自宅で転倒して腰痛を訴えた当時74歳の女性が入院検査を経て、2020年1月22日に腰椎後方除圧術を受けた際に発生した。手術では最初に脳神経外科長が第4・第5腰椎間を施術し、その後被告医師が第2・第3腰椎間の処置を担当した。

・被告医師は出血で視野が悪い状態のままドリルで骨を削る操作を続け、硬膜を損傷したうえ露出した馬尾神経を巻き込み切断した。修復処置は科長が実施し、手術は午前9時から午後7時過ぎまで続いた。被害女性は回復不能の障害を負った。

・公判で検察は、止血や術野確保は手術の基本であり注意義務違反が事故の原因だと主張した。被害者が回復不能の障害を負い家族も厳罰を求めていることを踏まえ禁錮刑を求刑した。一方弁護側は、助手として手術に参加していた指導医にも責任があると主張した。被告医師は自らドリルを操作していた責任を認めつつ、スチールバー使用の指示など手術体制に問題があった可能性を挙げたが、指導医はその指示を出した事実を否定した。

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