・原因究明のためセンターは調査対策委員会を設置し、委員長を務める医師らが記者会見を開いた。担当者は予想外の事態だったと困惑を示し、調査を進めていく考えを示した。
・患者3人はそれぞれ昨年1月、3月、10月に抗がん剤の髄腔内注射を受けた後、歩行障害などの神経症状を発症した。10歳未満の男児と10代男性は意識不明の重体となり、別の10代男性は今年2月に死亡した。
・検査の結果、3人の髄液から本来髄腔内投与に使用されない抗がん剤ビンクリスチンが検出された。この薬剤は通常は静脈注射で投与されるもので、髄腔内に入ると重い神経障害を引き起こす危険がある。
・原因が医療ミスなのか、第三者による意図的な混入なのかは不明のままである。専門家は同様の事例が3件連続で起こる可能性は低いとしつつも、警察はあらゆる可能性を想定して慎重に調査する必要があると指摘する。カルテや薬剤記録の確認、関係者への聞き取りなどが捜査の中心となるとみられ、専門性の高い分野であるため解明には長期間を要する可能性がある。
・現時点で、ビンクリスチンの管理体制に重大な不備は確認されていない。病院によれば薬剤は院内の調剤室で厳重に管理されている。
・調剤室へ入るにはセキュリティーカードで複数のドアを解錠する必要があり、入室記録も残る仕組みとなっている。カードは病院関係者のみが所持している。
・さらに調剤室内では薬剤が鍵付き保管庫に収納され、限られた職員のみが取り扱える。薬剤師が注射液を調製した後にダブルチェックを行い、ビニールカバーをかけて処置室へ運搬し、最終的に医師が患者へ投与する流れとなっている。
・センター側は、調剤室に薬剤師以外が入る可能性は低く、運搬中に異物が混入する状況も考えにくいと説明している。
・患者安全分野の専門家は、ビンクリスチンは厳重管理が原則であり髄腔内投与は禁忌とされる薬剤だと指摘する。今回の事案は小児医療やがん治療の現場に大きな衝撃を与えるもので、第三者による透明性の高い調査体制が不可欠だと強調している。





